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無駄に感情を揺さぶられない良作!映画『舟を編む』の感想。

2013年に公開された映画『舟を編む』を見ました。

 

 

 

「感情を揺さぶられない」と表現しましたが、もちろん要所要所で感動はあります!

無駄に感情を揺さぶられることなく、各々の捉え方によって安定した気持ちで見ることができる素晴らしい映画でした。

 

感想はネタバレなし感想と、ネタバレあり感想として細かく見ていきたいと思います。

 

『舟を編む』あらすじ

主人公の馬締(まじめ)役は松田龍平、ヒロインの香具矢(かぐや)役は宮崎あおいです。

 

あらすじは以下!

玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。

引用:Yahoo!JAPAN映画「舟を編む」

 

『舟を編む』ネタバレなし感想

冒頭でも書きましたがわざとらしく感情を激しく揺さぶってくるような演出はありません。変人の主人公、馬締(松田龍平)を中心に物語が淡々と進んでいきます。

辞書を作るという地味で根気がいる作業においていろんな出来事が降りかかりますが、ハラハラする気持ちにさせることなく見れました。地味な笑いどころもあります!

 

サブキャラクターの情報も必要最低限で深いところまで晒されていません。それは視聴者の想像によって補わされます。

 

とにかく無駄はなく、テーマと同じく文字や言葉を追いかけるような地味な映画です。

だからこそ心地よく、安定して見れる素晴らしい映画でした。見終わったら不思議な高揚感が残ると思います。

 

『舟を編む』ネタバレあり感想

映画を見終わったあとに良かったところや気になったところをピックアップして感想を書いていきます。

 

※ここからはネタバレありです!

 

辞書作りについて

大きなテーマである、辞典『大渡海』作りですが、辞書作りに長い年月がかかるのは時代背景があるのかな〜?と思いましたが、今でも十数年はかかるもんなんですかね?その辺り無知だからよくわかりませんが、『大渡海』作りが始まった95年はまさにWindows95が世に出た年ですが、エクセルが登場したことに驚きました。

 

もっとこう、馬締の言葉のセンスというか、ある言葉や事象に対しての馬締なりの表現によって辞書が作られていく様を描いた作品なのかと思いきや、馬締が作中で表現したのは”右”と”恋”だけでしたね。(他にもあったかも知れませんが)

 

西岡正志(オダギリジョー)について

職場の先輩、西岡さん。実は馬締と同い年の27歳。

 

西岡さん、めちゃくちゃいいキャラしてる!

 

辞典作りに乗り気じゃなくてチャラいけど(まあそれほどチャラくないけど)、馬締に影響されて『大渡海』作りに本気出すところが素晴らしい!馬締とは対称的なキャラで、それぞれの得意分野で活躍するところがいいですね。何気に自分を犠牲にしちゃうところも素晴らしい。

 

12年後の彼は長髪ですが、オダギリジョーは(というか男は)短髪の方がいいですね。。

 

林香具矢(宮崎あおい)について

突然「早雲荘」にやってきた香具矢(かぐや)。

その名の通り、物語から出てきたような妖艶で神々しい女性。映画を見ている自分ですら夢でも見ているのかと勘違いするほどに美しかったです。さすが宮崎あおい!

 

そのあとの宮崎あおいもずっと可愛いんですが、あの浮世離れした妖艶さは最初のシーンだけでそれ以降消えてしまいました。(きっと髪型のせいだろう…)

 

恋文、告白シーンについて

この映画の中で一番感情が揺さぶられる、恋文からの告白シーン。

 

香具矢がプンプンする理由がいいんです!

で、「ちゃんと言葉で伝えんかいっ!」からの告白。

 

「好きです」「私も(ハート)」

 

う〜ん、いいですね〜

 

って嘘つけーっ!!

 

はぁ?どこで好きになったの??

馬締はただの根暗ですやん?

 

「みっちゃんは面白いね」っていやいや、それが好きになったポイントなの?!

 

そりゃないよ。ありえないですよ。

だから非モテやDTが勘違いするんですよ!

 

この映画は無駄がない良作だけど、”香具矢が馬締に惹かれた理由”が描かれて無さすぎる…これはちょっといただけませんでした。

 

 

その後、西岡カップルに部屋を占拠されて二人で煮物(だったっけ?)を食べに行くシーンはものすごく良かったけどね!

 

三好麗美(池脇千鶴)について

西岡と麗美の関係が本作では詳しく描かれていないところがいいですね。

結局二人は結婚することになりますが…

 

その後、麗美は出てきません。

『大渡海』出版パーティーで少しくらい登場して欲しかったです。

 

佐々木薫について

佐々木薫、あの契約社員のおばさんです。

 

契約社員なのにずーっと辞書編集部を辞めずに『大渡海』作りに貢献しているんですね。目立たないけど、要所で良い動きをしています。あなどれません。

 

終わりに

というわけで、短めですが映画『舟を編む』の感想でした。

全体的に良かったけどやっぱりあの告白のシーンはどうかと…このあたり原作でちゃんと描かれているのかな〜?

 

あえてピックアップしなかったけど、タケおばあさんを含めその他のキャラも好きですよ!

 

本作のような心地よい感情で見れる映画もたまにはいいですね!