ほのぼのした雰囲気のアニメ映画ではありましたが戦争というナイーブな題材の映画なので無知を晒すだけの感想になってしまいそうですが、書き残しておこうと思います。
一言感想にネタバレはありません。
映画『この世界の片隅に』の一言感想(ネタバレなし)
終始ほのぼのした雰囲気ではありますがそこは戦時中です…
辛い。さっきまでほのぼのしてたのに。
これが戦争か…
と考えさせられる映画でした。
また70年前の日本人の生活がどんな感じだったのかがわかります。
ただ、ほのぼの系アニメ映画、加えて主人公すずのマイペース天然キャラも手伝って現実の厳しさや悲惨さは抑えられていると思います。
だからこそ「戦争モノ」に抵抗がある人にも見て欲しい映画です。
のん こと能年玲奈の声優としての才能も感じられましたよ!
映画『この世界の片隅に』ネタバレ感想
最初の人さらいおばけがいったい何者だったのかよくわかりませんでしたね。
ここで出会う周作さんと、すずはのちに結婚するわけですが、「前に一度会ったことがある」と言われて「え?いつ??」なんて思ってしまい、このシーンまで戻って確認しました…
てっきりすずは水原さんと結ばれると思っていましたけどね。。
このあたりはのちに水原がやってきてちょっとしたやり取りがあるわけですが、まあすずと周作が引き合わせたのはこの人さらいおばけだったということなんでしょう。
(水原がやってきたときの周作の行動がまた男前ですよねー)
この映画の良いところは70年前の日本人の生活がよくわかるところです。
そしてアニメ映画ということもあり、ほのぼのと抵抗なく見られるところ。
マイペースにすくすくと育ったすずは18歳のときにわけもわからず結婚させられて、馴染みのない土地で知らない家族と共に、慣れない家事をしながら生活するわけです。
これ、両親も良い人だったし旦那の周作も素敵な男性だったから良かったけど…
自由恋愛当たり前な今の世の中じゃ考えられませんよね。昔はこれが普通だったんでしょうね。
初夜のシーンは良かったですね。
キスの時の音がほんの少しリアルなところがまた。祖母から言われた傘の下りの意味は気づかなかったです。
そして毎朝寒くても早起きして水を汲みに行ったりと大変な日々が続きますが…
すずの天然キャラのおかげで悲壮感を感じずほのぼのとした気持ちで見ていられます。
が、小姑の径子だけは違いました。
これにはさすがのすずも辛かったみたいでストレスがハゲとして現れてしまいます。
径子が「広島に帰ったら?」と行ったあとの他の家族の反応、これってみんな心の底ではすずを良く思っていなかったというような反応に見えたけど、このシーンの意味ってなんだったのだろう?
しかしこの映画は食事のシーンが多く出てきて良いですよね!
白米に喜ぶシーンとか、いま普通に炊きたてのお米を食べられていることが本当に幸せなことなんだなーって思います。
憲兵が出てきたところも意味がわかりませんでした。
さすがのお義母さんや周作もすずに呆れたのかと思ったけど…めっちゃ笑いますやん!
そして徐々に戦争が激化していきます。
防空壕は当然だけど自分たち(や近所の人)で作るんですね〜。このあたり、水道やガスが壊れれば業者を呼んで直してもらうのが当たり前の現代人にとってはハッと気付かされる場面でした。
すずが道に迷った場面では遊女のリンに助けられますが…
このリンは、かつての座敷わらしがすずを助ける為に遊女として再び現れたのか、そもそもあの座敷わらしは普通の人間だったのか…ちょっと不思議に思う人物でした。
★★★
ここまでは割とほのぼのとした気持ちで見れるんですよ。
そしてすずと手を繋いで歩く径子の娘、晴美は…
辛いです。
これが戦争か…って思いましたね。
径子に「人殺し」と罵倒されたあと、二人の間に亀裂が入りますが…
普通だったらもう二度と顔も見たくないほどの大事件ですよね。なんだかんだで径子は優しい人だったのだと思います。
すずはもう広島へ帰ると言いますが…このあと広島がどうなるのか、みんな知ってるんです。
で、その時、ピカッと光るシーン。
不気味な怖さが伝わってきました。映画として見るとうまい演出だなと思いました。
最後、広島で母親が死んで一人ぼっちになった女の子が付いてきて、家族として迎え入れますよね。ここははだしのゲンを思い出しました。(そーいえばすずと周作の間には子供は生まれませんでしたね)
戦争がどういったものだったのかを無駄な恐怖心を与えずに感じることができるこの映画は、子供達にもおすすめしたいですね。
終わりに
呉へは広島出身の友達の結婚式に参加した際に立ち寄った思い出場所です。
みんなで大和ミュージアムへ行って、肉じゃがも食べました。笑
まだこの映画を見ていない方は是非!